平成生まれはほぼ知らない!道具ひとつでできる和室の畳を上げる方法
今から50年ほど前まではどのご家庭でも年に一度は畳を上げて庭先へ天日干しにし、1日大掃除をしたとお客様からよく教えていただきます。
最近では住環境や生活スタイルの変化によってそういった文化もなくなり畳を自分で上げるという機会もめったにない事と思います。
ですが床下などで異常が起こった場合は畳を上げる可能性も出てくるでしょう。
そこで今回はご自宅にあるような道具で簡単に畳を上げる方法を紹介していきます。
和室の畳を上げるに必要な道具
今回は大体のご家庭にあるものかホームセンターや100円均一で簡単に購入できるものからご紹介していきます。下記のうちどちらかをご用意いただければ大丈夫です。
千枚通し・マイナスドライバー
よく聞く話一般の方はマイナスドライバーを使用される方が多いみたいです。
基本的にはこのような形の物なら何でも大丈夫ですが畳を持ち上げる必要がありますので畳に突き刺すのが容易で、畳自体を傷つけない程度に先端が細いものの方が使いやすいです。
また、ある程度の長さが必要なためマイナスドライバーであれば金属部分が5㎝くらいで先端が細いものがオススメです。
ちなみに畳屋さんは何を使って畳を上げているかというと「手鉤」という専用の道具を使用しています。
畳を上げる方法
畳の縁と縁の間に隙間を探す。
まず畳の縁と縁の間に隙間がないかをチェックしていきます。使用年数の長い畳なら乾燥を繰り返し畳自体が収縮しているためお部屋のどこかに隙間ができているはずです。
隙間が見つかったら、千枚通しの場合は隙間から畳の側面に向かって先端を突き刺します。
マイナスドライバーの場合はしっかりと奥の方まで差し込んでください。
畳は藁の床で約30キロ、建材床(いわゆるスタイロ畳)で20キロほどの重さがあります。
ここで中途半端に差し込むと畳を傷つける可能性がありますのでしっかりとさしてください。
畳を持ち上げる
差し込んだ道具をつかってゆっくり畳を上げていきます。
マイナスドライバーの場合はテコの原理を使い上げていきます。
このとき工具の先端が少しでもずれると畳の表面にキズを付けてしまうかもしれないので工具の下にタオルを噛ませるなどすると良いでしょう
ある程度畳が上がったら指を入れて自力で持ち上げていきます。
上記で20~30キロあると書きましたが片側の指が入るところまで上がればよいので男女問わず作業することができるでしょう。
気をつけていただきたい点としては作業自体とても簡単ですが畳の表面の素材は非常に傷つきやすいですので作業は慎重に行ってください
また、畳は1枚1枚部屋に合わせて作ってあるため敷く場所が決まっています。上げた後、元の場所に敷き直せるようにメモを取るかチョークで畳に場所を記すなど工夫してみると良いでしょう。
畳を上げたついでにできるお掃除方法をご紹介
天日干しをする
畳を天日干しにして乾燥させることでダニやカビを退治することができます。
良く晴れた日に風通しの良い屋外に畳を干し裏・表交互に乾燥させていきます。日当たりのよい塀などがあれば立てかけると良いでしょう。
地面に直接置くと湿気を吸い取る可能性があるので木の板やブロックなどの上に畳を置きある程度乾いた頃にハタキなどでたたいてホコリを落とすようにしましょう。
干す時間の目安は4~5時間ほどになります。
ポイントとしては畳表が色変わりしないよう直射日光に当てすぎないことが大切です。
畳乾燥機で乾燥してもらう。
畳を天日干しさせるには人手と時間、ある程度広い敷地が必要です。
忙しくてなかなか自分では手がつけられないという方も多いでしょう。
そういった場合、畳屋さんに依頼するのも一つの手です。畳乾燥機という専用機械を備えている畳屋さんに畳乾燥を依頼すると短時間で畳に住み着いているダニやカビを死滅させることができます。
また、きれいな状態をながく保つための抗菌対策の施工もあります。
スーツをクリーニング屋さんに出すのと似たようなイメージですね。
まとめ
畳は家にある道具ひとつで簡単に持ち上げられるものです。
ですが上げた後、畳の正しい位置、正しい向きは分からなくなりやすいので必ず印をしてから畳を上げましょう。